第14回 自分がコントロールできるものに集中する(2)

●おさらい:「コントロールの連続体」

前回「コントロールの連続体」というものを学びました(前回のオンライン・トレーニングはこちら)。 「コントロールの連続体」は、何が自分のコントロール下にあり、何がそうでないかを判断する上で役立つモデルです。下の図を見てください。左側の出来事に対しては、あなたはほとんどあるいは全くコントロールできません。右側の出来事はコントロールすることができます。コントロール可能な出来事とコントロール不可能な出来事の間が、影響を与えることのできる状況です。

コントロールの連続体

●「コントロールの連続体」を自分自身にあてはめる

以下の演習に取り組みましょう。

  1. 日々あなたには、いろいろな問題やアクシデントが生じていることでしょう。前回紹介した電車のトラブル、部下の問題、上司のこと、あるいはコンピュータ・ネットワーク問題、クライアントからの苦情、ミスの発覚、期限の遅れなど、さまざまなことが起こります。まずそうした問題を挙げてみてください。
  2. 各問題についてこう自問してみましょう。「この問題を自分はコントロールできないか、それとも100%コントロールできるのか」
    そして、コントロールできないと判断した問題をチェックしてください。
  3. 次に今チェックした、コントロールできない問題について、「私はこの問題に影響を与えることができるだろうか?」と自問してください。
  • もしイエスなら、その問題に影響を与えられる方法を記録してください。例えば、「老化」はあなたのコントロール外にありますが、正しい食生活をし、運動することによって、「健康に長生きする」というような影響を与えることはできます。他の人々はあなたのコントロール範囲外の存在ですが、あなた自身が模範になって適切な行動を示せば、彼らに影響を与えることができます。
  • もしノーなら、コントロールできない問題に対してあなたが示すことのできる建設的な反応あるいは行動をリストアップします。例えば、交通渋滞はあなたのコントロール外にありますが、ラジオをつけて情報収集をしたり、考えるべき問題について頭を使ったり、1日の予定を立てたりすることによって、そうした事態に前向きに対処するという選択ができます。

自分の行動は100%、自分のコントロール下にあるということを忘れないようにしてください。

●次のステップ

今度自分がコントロールできない状況に直面したら、「コントロールの連続体」に取り組みましょう。自分にコントロールできるものと、できないものを決定すれば、無力感や欲求不満を和らげることができます。次のステップに移るあなたに、いくつか提案があります:

  • 「コントロールの連続体」に取り組み、コントロールできない状況を予測し、備えるための時間をとる
  • 自分のとる感情的な対応にパターンがあるかどうか判断する。もっと主体的になり、コントロール範囲内の領域にフォーカスするよう努力する
  • コントロールできない状況に直面したとき、その状況について10-20秒間考えてみる。意識して前向きに対応するか、自分がその状況に影響を与えるためにとることが可能な他の行動を分析してみる