第31回 ニュートンに学ぶ

アイザック・ニュートン(1642-1727)といえば、リンゴが木から落ちるのを見て、万有引力の法則を思いついたことで知られている人物ですが、ニュートン力学の確立、古典力学や近代物理学者など、後世への影響の大きさ、偉大な業績は数知れません。ニュートンについての著作から、「7つの習慣」との共通項を探っていきましょう。

●目的を持って始める

アイザック少年は、たこにも同じく夢中になった。飛びつづけるのにもっとも適したデザインを特定するためにいろいろな形のものを紙でこしらえた。また、もみくちゃにした紙で提灯をつくり、暗い冬の朝、学校まで歩くあいだ中にろうそくを入れて灯した。そして、ときどき提灯をたこの尾に結びつけ、これを彗星と見まちがえた農村の人びとをこわがらせた。(略)

たんに目的もなくいろいろなものをいじくりまわす子どもだったのではなく、あれこれアイデアを考え、いろいろなからくりで遊んだのだった。

第二の習慣である「目的を持って始める」は、スティーブン・R・コヴィー博士も大切さを強調している習慣の1つです。上記のエピソードからわかるように、ニュートンは、子どものころからこの「目的を持って始める」を実践していたようです。凧を何となくいじるのではなく、飛び続けさせるために調整し、村の人々を怖がらせるために提灯を凧につけたというわけです。

目的を持って始める、というと、一見当たり前のことですが、アイデアを抱きその実現に向かって進むのは簡単なことではありません。そして、そのニュートンの探求対象は、宇宙の科学へと向かいました。

一六六四年にはニュートンの一生の仕事はだいたい決まっていた。宇宙は、中世都市の鐘楼を飾る大時計のように合理的な機械論的法則に支配されており、自然の秘密は、科学的方法を用いる者によって発見されると考える知識人の集団にニュートンは加わっていた。だが、宇宙のこのような精密さがまったくの偶然の結果だとは考えなかった。すべての裏に知的計画と、目的のある方向付けの存在を感じた。

一見、当たり前のことでも、決して偶然ではなく、目的が存在することを直感したニュートンは、あらゆる現象に対して論理的な計画と方向づけすることを確信したのでした。

問題の見方こそが問題である、とはコヴィー博士の言葉です。コヴィー博士は事態の枝葉末節ではなく、原因を追求し、根本から改善することの大切さを強調しています。

もしニュートンが現代の人物であれば、我々を取り巻く当たり前な問題に目を向け、根本から考えることで、それらを解決に導いたかもしれません。ニュートンが抱いていた目的意識は、私たちがビジネスに取り組む際にも、1つのヒントにすることができるかもしれません。

(参考:『ニュートン あらゆる物体を平等にした革命』、ゲイル・E・クリスティアンソン著、林大訳、大月書店)

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